牛窪恵
世代・トレンド評論家ジェンダー、世代、覇権、国境…たとえどんな壁やギャップがあっても、私たちが「自然や地球に生かされている」との根源は同じ。世界中で分断や格差が問題視されるいま、モアナはつねに仲間や海を愛する澄んだ心で、「互いに分かり合うこと(相互理解)」を目指す。彼女のパワーや行動力、純粋な思いにふれるだけで、「大丈夫、壁もギャップもきっと乗り越えられる!」と元気になれる。
尾木直樹(尾木ママ)
教育評論家・法政大学名誉教授つらいことがあっても心が折れず、自分は乗り越えられるはずだ、と思える力=レジリエンスは、予測不能な未来を生きていく上で必要不可欠であり、モアナの強力な“武器”でもある。成長とともに不安や葛藤を抱えながらも、自ら道を切り拓き、多様な仲間とともにしなやかに逆境を乗り越えていく物語は爽快の一言。非認知能力や感情表現が豊かなモアナは、SNS時代を忙しなく生きる私たちに「目に見えないもの」の力を改めて教えてくれる。人は映画を観る時、誰かに自らを投影し様々な情緒的体験をする。本作を観終わった時、皆さんはどんな感情に包まれるだろう。道はひとつじゃない、失敗してもいい。モアナのエールを胸にさぁ「越えてゆこう」!
(たくさんの子どもたちに観てもらいたいです!)
落合陽一
メディアアーティスト『モアナと伝説の海2』は、コンピュータグラフィックスの可能性を極限まで追求した映像詩と言える。砂、液体、風、髪の毛、草、光、といった自然の要素が、生き生きとしたレンダリングによって、その技術的な困難さを微塵も感じさせないほど自然に融合している。それぞれの要素が有機的に絡み合い、映像と音楽のグルーヴが画面全体に広がり、観る者を深い没入感へと誘う。海のぬるぬるとした変形表現やしぶき、そして光、レンズを通した風景が織りなす映像美は、デジタルの自然が共鳴し合い、新たなリアリティを創出している。技術と芸術の自然な融合が、人々の感性に直接訴えかける現代の童話・神話を構成している。
乙武洋匡
作家主人公がなんでもできる万能タイプなら、きっとここまで共感することはできないように思います。できないこともある。くじけることもある。そんな等身大の主人公だからこそ、私たちは「それなら自分も」と勇気をもらえるのではないでしょうか。モアナの胸のすくような活躍だけでなく、それまでの迷いや葛藤にこそ、この映画の魅力が詰まっているように思います。
坪田信貴
坪田塾 塾長・「ビリギャル」著者『モアナと伝説の海』や『モアナと伝説の海2』が多くの人を魅了する理由の一つは、主人公モアナが私たちの心の奥底にある“コンフォートゾーン”からの脱却を体現しているからです。心理学的に、私たちは安定した環境や習慣を好みます。その一方で“未知の世界”や“成長への挑戦”に対する渇望も抱えています。モアナは、安心できる故郷にとどまる選択肢を持ちながらも、未知の海へと踏み出す勇気を見せます。その姿は、視聴者に自己の可能性を探る勇気を思い出させ、深い共感を呼び起こします。また、映画の鮮やかな映像美と波音や風の音に包まれた世界観は、心理的に心地よさと冒険への高揚感を同時に与え、観る者をまるで自分自身が冒険しているかのように引き込む力があります。『モアナと伝説の海2』もまた、過去の成功体験の内側にとどまらず、私たちのコンフォートゾーンを超える旅の重要性を教えてくれます。家族で観たい最高の映画です。
てぃ先生
現役保育士モアナたちの諦めない姿を見ていたら、勇気をもらうのと同時に、思わず涙が溢れていました。 突き進むことも素敵だけど、時には迷ったっていい。 頑張ることも大切だけど、頼ることも忘れちゃいけない。 小さな出来事、思いがけない出会い、そんな一つ一つの“点”が、やがて希望に満ちた明るい“線”に変わっていく。 モアナたちの描く線に世界中の人が元気をもらえると思います。
名越康文
精神科医前作は、親を振り切り旅立つ子どもを描いた王道の作品でした。モアナは村長の娘ですが、憧れを抱かせるというより、私たちに近く感情移入しやすいヒロインです。観ていて癒されたのが自然描写。溶岩の女神が冷めて全体が緑に覆われていく様は、太古の地球に命が芽吹き繋がっていくことを象徴的に描いていました。モアナの役割はバラバラになったものをつなぐこと。縁の下の力持ちです。海の民をつなぐため海に出る第2作でモアナはさらなる真価を発揮します。
山﨑洋実
コミュニティーマネージャー“道はひとつじゃない!” 私の心に響いたこの台詞。 人生は色んな決断の連続。出来れば間違いないたくないし、正しい道を進みたい。私たちは失敗を恐れるから。でも、人生で唯一の正しい道などないのだから。やってダメならまた違うやり方を試してみる。モアナが他にもやり方(道)があると立ち向かう姿に勇気をもらう。人生に必要な学びがここにある。なにか困難にぶつかっても、私も越えてゆける!
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