ウォルト・ディズニー・ジャパンは、次世代を担うイノベーターの支援・育成の一環として、東京工科大学メディア学部が実施する「メディア特別講義、ライブ・エンタテインメント論」にて、ディズニーの日本国内での劇場映画・ミュージック・ライブエンターテイメントなどを統括するバイスプレジデント & ゼネラルマネージャー目黒敦が特別講義を行いました。
本講義に参加をするのは今年で11回目。エンターテイメント業界を目指す2年生約200名に、「エンターテイメントの新しい扉を開く」をテーマに、ディズニーが届ける物語の力と日本におけるビジネスの全体像をプレゼンテーションしたのち、劇場映画のマーケティング手法から日本向けのローカライズの工夫事例まで、学生からの多岐にわたる質問に回答いたしました。
まず講義を始めるにあたり東京工科大学メディア学部 吉岡英樹先生は「ディズニーは子どもから大人まで愛されているブランドであり、かつ世界展開をしている企業です。今日は、その人気やビジネスについて多くを学べると思います。」とお話されました。

「ストーリーテリング(物語性)が、ディズニーの全て」
「ディズニーは、物語を紡ぎ、幸せを生み出している会社です。」こんな表現から講義は始まりました。ストーリーテリング(物語性)は、ディズニーの核であり、私たちが行う全ての活動の中心には物語があります。「既存のエンターテイメントだけではなく、どのようにエンターテイメントが変わっていくのか、そこにディズニーはどうチャレンジしていくのか。物語は、アメリカからだけ生まれるわけではありません。人間の琴線に触れる作品は、世界中で生まれ、その物語を最新の技術で消費者にお届けしていく。まさに新しいエンターテイメントの扉を、私たちは皆さんと一緒に開いていこうとしているのです。」
「消費者への感謝と、繋がり方の変化」~ディズニー100周年に向けたプロとしての意識~
今年創立100周年を迎えたディズニー。年間を通して、大型映画が多数公開され、その他にもイベントなど予定されています。そこで100周年に向けたプロとしての意識についての質問があがりました。「100周年は、消費者への感謝を表す一年。過去の歴史を振り返るだけではなく、現在と未来にむけて物語を届けていきたいです。消費者との繋がり方は変わってきていて、一方通行ではなくなっています。両方向でつながり、一緒に生み出しながらディズニーの物語を楽しんでいただきたいと思っています。」と回答しました。
「体験をより豊かにする音楽」~ディズニーでの音楽の重要性~
さらに学生から『アナと雪の女王』の楽曲のヒットの理由に関する質問も。「音楽というのはディズニーの全てのビジネスにおいてとても重要で、体験を豊かにしていくものです。例えば、ディズニーランドに行ってそこに音楽がなかったら? 映画の中に音楽がなかったら?というのを想像してみてください。パークや映画を家に持って帰ることができなくても、音楽は自宅に帰ってもその高揚感を持続させることができます。それがディズニー音楽の特徴であり役割なのです。」

「翻訳の正確さではなくキャラクターの気持ちを表現する」~ディズニー作品のローカライズについて~
学生たちの興味を引いたのは、ディズニー作品のローカライズについてです。「『アナと雪の女王』を例に、同じ曲を別の言葉(違う言語)で歌うというのは何を意味するのですか?」という問いに対して、ディズニーには、キャラクターボイスという作品のローカライズをする専門チームがいることを説明。「ローカライズに重要なのは、一語一語が正しい翻訳かということではなく、そのシーンでキャラクターが何を考えているのか、何を伝えようとしているのか、を考えていくこと。例えば ♪Let it go~に込められた、エルサが新しい道を切り開く、自分らしくいたい、という気持ちをどう日本語で表現するべきなのかという議論を多く重ねました。そこで生まれたのが、みなさんもよくご存知の♪ありの~ままの~。さらにそれを映像に合わせた時に、キャラクターの口の動きに合っていないといけないのです。」と、ローカライズへのこだわりとその難しさにもついて触れました。
「色々なことに挑戦していこう!」~キャリアについて~
音楽業界で長いキャリアを持つ目黒は、ディズニーの入社のきっかけについて「音楽レーベルでは、音楽を届けていく仕事をしていましたが、ディズニーで音楽の力でより良い体験をより広めていく、という仕事が新しいチャレンジだと感じて入社しました」と、自身のキャリアも振り返ります。学生から「就職までに経験していてよかったと思うこと」を聞かれると、「とにかく色々なことに挑戦し、経験を積み、新しい視点でものを見る、ということを常に考えていくことが重要」とエールを贈りました。
ディズニーでは、今後も次世代への支援と育成を積極的に行い、その活動の場をさらに広げていく予定です。
物語の力でより良い世界へ
一人ひとりが、自分の存在を認められ、理解されていると感じられる、誰もが居場所のある世界。人と野生動物が共存する、バランスのとれた地球。希望と可能性に満ちたコミュニティ。ディズニーはこの3つの実現を物語、体験、事業、社会貢献活動を通じて目指していきます。
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