ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社(以下、ディズニー)は、「物語の力でより良い世界へ」を目指して、この夏休みに、次世代を担うストーリーテラーの支援・育成の一環として、日本では初めて中学生向けに「ディズニー・クリエイティブ・ワークショップ」を開催いたしました。本プロジェクトは、青少年向けに様々な体験型プログラムを無償提供する活動を全国展開している、公益社団法人ジュニア・アチーブメント日本が主催し、ディズニーはプログラムの協力をしています。

<参加学校>
茨城県立太田第一高校附属中学校、福島県いわき市立入遠野中学校、福島県いわき市立上遠野中学校、福島県いわき市立久之浜中学校、福島県いわき市立湯本第三中学校 ※5校34名 (生徒27名、教諭7名)
◆今回のワークショップのテーマは、「自分自身、もしくは誰かを元気にするキャラクターを作ろう!」
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「ディズニー・クリエイティブ・ワークショップ」は、ディズニーの豊かなイマジネーションに彩られた数多くの物語と、個性あふれる魅力的なキャラクターに触れることで生徒の想像力を刺激し、物語を生み出す楽しさや喜びを体感していただくことを目指すとともに、キャラクター制作の過程で、自分や周囲の人の気持ちに寄り添い認めあうことの大切さ、自分らしく自信を持つことの大切さに気づくきっかけを提供することを目的に開催いたしました。また、ワークショップの最後には、ディズニーの社員とのキャリアトークも実施し、将来について考える機会も提供いたしました。
ワークショップは、7月25日(月)に、オンラインでキックオフ。「自分の殻を破り新しい自分を見つけたい」、「チームで1つのものを創りあげる達成感を味わいたい」といった前向きな気持ちで挑む福島県と茨城県の5校27名の中学生が参加し、生徒たちは、アドバイザーを務めたディズニー社員から、物語やキャラクターの考え方についてアドバイスを受けながら、チームメンバーとのディスカッションや練習を重ね、完成した渾身の物語とキャラクターを、8月19日(金)にディズニー・ジャパン社(東京都港区虎ノ門)で発表しました。
◆中学生が、個性溢れる物語と唯一無二のキャラクターを、多様な表現方法で発表
生徒たちは、スライドを用いてチームごとに7分間のプレゼンテーションを行いました。「自分自身、もしくは誰かを元気にするキャラクターを作ろう!」というテーマに対し、生徒たちが自由な発想を膨らませ、胸に“人見知り克服メーター”を付けたロボットや漢字の「心」をモチーフにした妖精といった唯一無二の個性豊かなキャラクターを生み出しました。
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参加チームの一つは、コロナ禍で人と関わる機会が減り、落ち込みやすくネガティブな気持ちになりやすい人が周囲に増えたことに着目し、そのような人たちを勇気づけるため、臆病で気弱な主人公が、魔法によって花に変えられた友人を救う冒険の中で、「僕はできる」、「自分の行動次第で誰かを助けることができる」ことに気づき自信を得ていく姿を通じ、何事にも進んで取り組むことができるようになるというメッセージを込めた作品を発表しました。また、あるチームは社会問題にもなっている“ヤングケアラー”への認知と支援の輪を広げたいという思いから、人の心を読み取り体の色を変化させる『カエルのラッキー』というユニークなキャラクターを作り出し、ヤングケアラーの当事者に向けて「一人で抱え込まないで」という気持ちを伝えるとともに、周囲の人々に向けて「相談しやすい環境を作り、助け合っていこう」と呼びかけるメッセージを届けました。他にも、引っ込み思案で恥ずかしがり屋、自分に自信が持てない内気な性格を少しでも変えたいと思って本プロジェクトに参加した自分たち自身を、“片翼のないフクロウ”というキャラクターに重ね合わせて物語を作り上げたチームや、寸劇を交えて表情豊かに発表したチームもありました。
どのチームも単なるキャラクター制作に留まらず、キャラクターごとに細かな性格や特徴、背景があり、主人公を取り巻く家族や友人、悪役に至る相関図とともに緻密に練り上げられた複層的な物語を考えてくれました。また、キャラクターや物語には、ディズニー社員からのアドバイスを参考にしながらチームで考えたプロセスや、ぶつかった壁、その時自分自身が感じた気持ちも反映し、「思いを届けたい!」という熱い気持ちと共に披露してくれました。それぞれのチームの個性と生徒たちの無限の可能性を感じさせる発表は会場全体に大きな感動を与え、参加者は互いに大きな拍手を送り合いました。
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5チームのプレゼンテーションを聞いたディズニー社員は、「キャラクターの性格、仲間、目指すところなど、物語が巧妙に考えられていて素晴らしかった」、「1つのキャラクターの完成を想像していたが、複数の考え抜かれたキャラクターが登場し、それぞれの個性を認め合いながら交わり、物語を生んでいる」、「皆さんのここに至る制作過程で、誰を元気にするのか、元気にするというのはどのようなことなのか、というような、多くの議論を積み重ねた成果が表れている」、と称賛するとともに、「誰に何をどのように伝えていくかを一生懸命考える経験は、これからの将来きっと役立つ。今回作ったキャラクターはこの先何か困ったときにみんなの助けになるだろう」と、生徒たちの将来に向けてエールを送りました。
◆キャリアトークでは、「将来はディズニーで働きたい。社員の皆さんと肩を並べる自分を想像できた」
ワークショップの最後には、ディズニー社員と自由に意見交換をするキャリアトークの時間を設け、生徒たちの質問や将来へのアドバイスなど、活気的なやり取りが交わされました。参加した生徒からは、「将来はこういう職場で働いてみたいと思った」、「自分の将来の夢や進む道の決め方の参考になった」、「自分の好きなことを突き詰めていきたい」と前向きで力強い感想が聞かれました。また、ディズニーが大好きな生徒からは、「将来はディズニーで働きたい。社員の皆さんと肩を並べる自分を想像できた」と、具体的な将来像の発言もありました。
◆生徒たちの大きな笑顔。「自分に自信が湧いてきた」と前向きな気持ちへ
様々な動機を胸に参加したワークショップの全工程を終えた生徒たちは、「キャラクターの特徴や背景を考え、実際に絵で表現するのが大変だったが、アドバイザーから“己の才能を疑い、己の直感を信じろ”という言葉をもらい、キャラクターや物語を作る時に意識して取り組んだ」と、制作活動のプロセスを振り返るとともに、「自分に自信を付けたくて参加したけれど、みんなで課題に取り組んで協力し合うことで困難も乗り越えることができたし、大勢の前で発表する機会を経験して自信が湧いてきた」と、晴れやかな笑顔で語りました。
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生徒たちのプレゼンテーションを聞いた、ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社 代表取締役社長キャロル・チョイは、次のように述べています。「個人個人の創造力はもちろん重要ですが、今回のプロジェクトを通じてチームワークがとても大切であることに気づいたと思います。チームごとにキャラクターのスタイル、表現方法、誰に対して何を伝えるかというメッセージは異なりますが、オーディエンスに向けて一つの力強く、魅力的な物語として仕立て上げたことを強く感じましたし、5つのチームの物語はどれも個性的で異なるものでしたが、どの物語にも共感し、つながりを強く感じました。」と、生徒たちの頑張りを称えメッセージを送りました。
最後に、公益社団法人ジュニア・アチーブメント日本代表理事の佐川秀雄氏は、プレゼンテーションの内容を高く評価すると同時に「今日を表すひと言は“感動”です。学校ではなかなか学べない0から1を生み出す作業は非常に大切で、今後皆さんが生きていく上で必要になってくることです。それを今回経験できたことはとても貴重なことです。」と、発表を終えた生徒たちを労い、プロジェクトを締めくくりました。
◆物語の力でより良い世界へ
一人ひとりが、自分の存在を認められ、理解されていると感じられる、誰もが居場所のある世界。人と野生動物が共存する、バランスのとれた地球。希望と可能性に満ちたコミュニティ。ディズニーはこの3つの実現を物語、体験、事業、社会貢献活動を通じて目指していきます。