会場となったディズニーフラッグシップ東京は、2021年12月5日に東京・新宿にオープンした日本最大のディズニーストア旗艦店だ。同店での音楽イベント開催は、今回が初となる。
2階に飾られているミッキーマウスのスタチュー前にアップライトピアノが用意され、白いシャツに大きな黒いリボン、オーバーオール、トレードマークともいえる黒いキャスケットを身につけたハラミちゃんが登場。拍手で迎えるファンに何度もおじぎをしながら「今日は短い時間ですが、精一杯、ディズニー愛を込めて演奏させていただきます」と挨拶し、早速ピアノに向かった。
1曲目は「自由への扉 From『塔の上のラプンツェル』」。手を滑らせて弾く得意のグリッサンドで勢いよくスタート。右足でペダルを踏み、左足でリズムを取りながら、軽快なタッチでラプンツェルの日常や願いが込められた歌を表現。時折、振り向いてファンに笑顔を見せる。見守るファンの中には、頭を軽く振ってリズムに乗る姿もあった。続けて「彼こそが海賊」 From 『パイレーツ・オブ・カリビアン』。激しく鍵盤を鳴らし、左足も大きく動かしリズムを刻む。海賊たちの荒々しさや切なさを盛り込んだ緩急あるアレンジを全力で弾ききると、ひときわ大きな拍手が湧いた。 3曲目の「絶叫フロア」 From 『モンスターズ・インク』では、今にも踊りだしそうな勢いでピアノを鳴らすハラミちゃん。まるで人間の子どもたちの悲鳴を集めて得意顔のモンスターたちのように、満面の笑みをたたえていた。
今回のアルバム制作のために映画を観直し、「主題歌のメロディーを聴くと打楽器で同じリズムを刻んでいたり、そのメロディーが変奏曲のように曲の間に使われていたりしたことに気づき、音楽に注目して観るとまたこんなに楽しめるんだ!と勉強になりましたし、ワクワクしました。ハラミのアレンジで、映画を1からなぞるような気持ちで制作させていただきました」とうれしそうに語った。
イベントは早くも後半へ。ミッキーマウスのスタチューを見つめて一呼吸置き、弾き始めた4曲目は「美女と野獣」 From 『美女と野獣』。目を閉じて奏でる優しい旋律は、徐々にゴージャスなアレンジに。ベルと野獣が踊るボールルームが、今まさに目の前に広がっていく感覚にさせる豊かな音色で、ファンを魅了した。 続く5曲目も、しっとりしたイントロが印象的な「リメンバー・ミー」 From 『リメンバー・ミー』。忘れられない人に思いを馳せるかのように何度も見上げ、エモーショナルな音楽を紡ぎ出す。曲の後半はハラミちゃんらしい壮大なアレンジになり、本人も笑みがこぼれる。弾き終わると、そっと鍵盤から指を離した。 「最後は、この場所にふさわしいあの曲を弾いて、盛り上がって終わりたいと思います」と言って弾き始めたのは「ミッキーマウス・マーチ」 From 『ミッキーマウス・クラブ』だ。この日いちばんの笑顔を見せながら左足を踏み鳴らし、元気いっぱいにパフォーマンス。熱心に聴き入っていたファンのテンションも最高潮に! 6曲を弾き終えたハラミちゃんへ、盛大な拍手が送られた。
ハラミちゃんは「CD発売日をお客様と一緒に過ごせる喜びを初めて感じて、すごくうれしい。ディズニー愛にあふれるファンの皆様とこの30分間を共有できたことは、一生の宝です。CDを聴いてくれた皆様が、もう一回ディズニーの作品を観返したくなるようなアルバムになっていると思うので、ぜひいろんな方と、そして一人でも、お楽しみいただけるとうれしいです。ありがとうございました」と感謝の言葉でイベントを締めくくった。
演奏後は集まった約30名が2グループに分かれ、集合写真の撮影が行われた。ハラミちゃんは自ら「ピースしない?」「手をパーにしよう!」とポーズを提案。ハラミちゃんにとって初めての発売記念イベントは、大成功で幕を閉じた。