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2020.09.18
高畑勲監督が称賛した傑作アニメーションが“三鷹の森ジブリ美術館ライブラリー”より新登場!『ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん』12/2(水)発売!デジタル配信開始!
<アヌシー国際アニメーション映画祭・観客賞、TAAFグランプリ受賞ほか>
高畑勲監督が称賛した傑作アニメーションが
“三鷹の森ジブリ美術館ライブラリー”より新登場!
少女は北極圏を目指す─
お祖父<じぃ>様の名誉のために。

あの高畑勲監督が日本での公開を訴え、フランスでの劇場公開から3年越しで、昨年日本でも公開された傑作アニメーション『ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん』を三鷹の森ジブリ美術館ライブラリーより、2020年12月2日(水)にブルーレイを4,700円+税で、DVDを3,800円+税で発売、さらに、デジタル配信とDVDのレンタルも開始いたします。
本作は19世紀のロシアを舞台に、貴族の子女サーシャが行方不明の祖父を探すため、北極圏を目指す冒険を描いた物語。アヌシー国際アニメーション映画祭・観客賞、TAAF(東京アニメアワードフェスティバル)グランプリほか、国際的なアワードで多数の賞を受賞しており、国内でも高畑勲監督をはじめ、各界の著名人が称賛している大変注目度の高い作品です。
シンプルな画風に込められた、圧倒的な表現力と美しさ、手に汗握るサスペンスとアクション!そして、圧巻のスペクタクルが積み重なり、観る者を<北極圏の旅>へと誘います。主人公のサーシャが、大好きな祖父の汚名を晴らすべく命がけの一歩を踏み出す、家族への愛と感動の物語―是非ブルーレイとDVD、デジタル配信でお楽しみください!
◆STORY
19世紀ロシア。大好きな祖父が北極探検の途中消息を絶ったことを悩む14歳の少女サーシャ。 地に堕ちた祖父の汚名を晴らすべく一歩を踏み出した少女の行く先には─。
19世紀ロシア、サンクトペテルブルグ。14才の貴族の少女サーシャには悩みがあった。1年前に北極航路の探検に出たきり帰ってこない大好きな祖父。探索船は出たものの未だ行方が分からない。祖父と家族の名誉は失われ、祖父の名を冠する予定だった科学アカデミーの図書館も開館が危ぶまれている。ロシア高官の父は、そんな状況にあって、なんとかローマ大使の道を模索するが、そのためには社交界デビューする娘が皇帝の甥っ子に気に入られるしかないと考えている。
社交界デビューの日、サーシャは祖父の部屋から航路のメモを見つけ、それが探索船がたどったものとは異なる事に気付く。再び探索船を出して欲しいとサーシャは舞踏会の場で王子に懇願するが受け入れられない。王子の不興を買い、父からの叱責を受けた彼女は、自ら祖父の居場所を突き止めようと決意する。―サーシャが目指すものは、祖父との再会、それが叶わなくとも遭難した艦船ダバイ号の発見、そして何よりも真実を突き止める為の旅だった。
なんとか港までたどり着き、北方行きの商船ノルゲ号に乗せて貰おうと船長の弟に話しを持ち掛けるが、手違いもあり港に取り残される。食堂の女主人オルガの手助けにて、住み込みで調理や給仕といった未経験の仕事をしつつ船の戻りを待つ。その頑張りが認められようやく船に乗り込んだ後に待ち受ける多くの試練。船乗りの経験も無く、しかも女性であるサーシャには、想像を絶する困難が待ち受けていた。そしてー
◆PRODUCTION NOTE
<シンプルな画風に込められた、圧倒的表現力の裏側>
ペーパーゼロで描かれた映像
本作の視覚的な世界観は時間をかけてつくられた。レミ・シャイエ監督の絵は本来かなり写実的だが、アニメーションの制約に応えるべく単純化させる必要があった。そのため、監督は細部のリアルさに拘ることよりも人物の感情描写に注力することにし、敢えて衣服のシワやボタン、靴紐といった多くの線を無くし単純化を極めたものにした。
作中に登場する船、列車、そり、馬車といった乗り物はCGでモデリングしてからベタ塗り、その他に関してもデッサン画家が描いた線をアニメーターがベタ塗りして描き直し、単色ベタ塗りにするという手法をとった。
アーティスト、それにアニメーターたちはパソコン上で作業したため、監督は“本作は、ペーパーゼロの作品だ”と紹介している。
“船”へのこだわり
本作で象徴的に描かれている、サーシャが乗り込むノルゲ号の外観に関してはいくつもの案が次々と出された。レミ・シャイエ監督はまず、シャクルストンのエンデュアランス号での遠征を撮影したフランク・ハーレイの写真を参考にしたが、この船はマスト3本の船で定員が40名ほどとなりアニメ化するには人数が多すぎる問題があった。そこで監督は船好きのアニメーター、セバスチャン・ゴダードに声をかけ、スウェーデンのトレ・クロノール号の図面から蒸気推進を搭載したマストが2本の帆船を思いついた。
また、驚くべきは劇中の多くの音源が、実際のルクーブランス号の船上で収録されていること。船員の様々な日常の動作、所作を撮影し、本作の音の世界観を形成するに役立つ音源(ドアの開閉や揚げ板に響く音、船体やロープの軋む音、帆が立てるバタバタとそよぐ音など)を収録した。
◆STAFF&CAST
監督:レミ・シャイエ
芸術学校でデッサンを学んだ後、複数のアニメのストーリーボード、レイアウト、特殊効果を担当。フィリップ・ルクレルク監督の「The Rain Children(仏題:Les enfants de la pluie)」といった長編作品を手掛ける。その後、監修の仕事でアジアに数度渡ったりしながら、2003年には短編映画「Le Cheval Rouge」「Grand-Père」(Canal J)「Eaux-Fortes」の3作品を制作。その後はトム・ムーア監督の「ブレンダンとケルズの秘密」を手掛けるなど経験を積む。新作「Calamity」は2020年10月14日フランス公開、日本は2021年公開予定。
監督: レミ・シャイエ
脚本: クレール・パオレッティ
パトリシア・バレイクス
作画監督: リアン‐チョー・ハン
音楽: ジョナサン・モラリ
( )内は日本版声優
サーシャ: クリスタ・テレ(上原 あかり)
オルキン: フェオドール・アトキン(弦徳)
カッチ: トマ・サンゴル(浅水 健太朗)
ラルソン: レミ・カイユボ(成澤 卓)
ルンド: ロイック・ウードレ(徳森 圭輔)
ナージャ: オドレイ・サブレ(石原 夏織)
◆CHARACTER
サーシャ
ロシア、サンクトペテルブルグの貴族の家庭に生まれた14才の少女。よく探検旅行の話をしてくれた祖父オルキンを慕う。
2年前、祖父オルキンは壮麗なダバイ号で北極遠征に出たまま消息不明に。祖父の勇敢さと辛抱強さを受け継ぐサーシャは、祖父の船を見つけ出すため危険を冒して「地球のてっぺん」を目指す大冒険に出る。
オルキン
サーシャの祖父でロシア海軍大尉、探検家。祖父としては愛孫サーシャと多少なりの時間を共にした。長年の夢である北極点を征服するため航海に出るが、消息不明に。
カッチ
見習いの少年水兵。朝の清掃や野菜の皮むきなど面倒な仕事を担当する。大物ぶるが心優しく、まだ幼さもある。
ラルソン
ルンドの弟。遊び人で女たらし。兄ルンドが追い出さなきゃいけなくなるような微妙な状況に度々身を置く。ルンドが流氷の上を歩き負傷すると乗組員を指揮する立場となり真価を発揮する。
ルンド
ノルゲ号艦長。寡黙ながら乗組員の信頼は厚いが、弟ラルソンには非常に厳しい。
兄弟2人で父からノルゲ号を相続し、真面目で船乗りの資質があるルンドが艦長となる。
ナージャ
サーシャの友人。ドレスや舞踏会に憧れる少女。トムスキー王子のことをとても魅力的だと見立てる。
サーシャの母
オルキンの娘でありサーシャの母。不在がちだった父親オルキンのことはあまり知らない。娘を守ろうとするが、頑固で情熱的な父親オルキンの血をサーシャが受け継いでいることもちゃんと気づいている。
サーシャの父
サーシャの父で、ロシア高級官僚。在ローマのロシア大使に任命されることを願う。
皇帝の甥トムスキー王子の宮殿入りを知ると、自身の大使任命の日も近いと考える。娘サーシャを皇帝一家に近づけようとする。
トムスキー王子
皇帝の甥で科学顧問に任命される。その昔オルキンに叔父を侮辱されたため、科学アカデミーの図書館が「オルキン図書館」とその名を冠することに不満を抱いている。サーシャの失敗を口実に一悶着起こし、チェルネソフ家を失墜させる。
オルガ
アルハンゲリスク港の食堂(オーベルジュ)の女主人。シベリア海や北極を目指す途中に寄港した船員にいつも楯突き、飾らない筋金入りのオルガだが、落ち込むサーシャに食堂で働く機会を与え、ルンドの船に乗る手助けをする。
◆各界からの応援コメント
(五十音順)
青木俊直 (漫画家、イラストレーター)
#サーシャ描いてみた 発起人
あのアウトラインのない絵は新鮮ですごい描いてみたかった。
で、真似して描いてみるとすごい難しい。
アウトラインない分形を色で決めるから色難しい。
ところで『ロング・ウェイ・ノース』、
色がめちゃめちゃいいです。めちゃめちゃいいです。
井上俊之 (アニメーター)
TAAFグランプリ受賞からすでに3年、
本作が日本で支持されることを願います。
いや、支持されるべきだと思います。
劇場で公開された際には、7回目を見たいと思います。
宇垣美里
どのコマをとっても美しく、切り取って絵葉書にしたいくらい。
観たあとはなんだか目が癒されて、いつも以上に空の青さを感じました。
大塚茂夫 (ナショナル・ジオグラフィック日本版 編集長)
純真さはときに恐ろしい。
少女のひたむきさが人の命を奪う可能性があった。
しかし彼女にはカリスマ性がある。
大の男たちを導き、苦難を乗り越えさせる覚悟をさせる魅力だ。
香川愛生 (女流棋士)
シンプルなのに濃密。かわいらしいのに超パワフル。
想像を軽々超えてくる絵のパワーに、81分間衝撃を受けっぱなしでした…!
もし私の目がスクショできたら、全てのカットでそうしたかったです。
片渕須直 (映画「この世界の片隅に」監督)
「ぴあ」初日満足度調査4位を受けて
がんばれ、「ロング・ウェイ・ノース」。
「フランスではこうしたアニメーションは子供向き以外かんがえられてなかった。資金集めに苦労した」
「いっしょだ。友よ」
とよ田みのる (漫画家)
『ロング・ウェイ・ノース』って映画がすごい良かった。
あんまりにも美しいビジュアルにアート系かしらと思ってたらエンターテイメントの大冒険で
風景にみとれつつもドキドキ鑑賞しました。
超おすすめでございます!
ライムスター宇多丸 (ラッパー・ラジオパーソナリティ)
この一見簡素なアニメーション表現の、なんと豊かで上品で、根源的であることか!
手に汗握るサスペンス・アクションあり、圧巻のスペクタクルあり、
ギョッとするほど生々しい人間描写あり。スクリーンでこそ必見!
◆商品データ <発売&レンタル開始日:2020年12月2日(水)>
※データは変更になる場合がございます。
<ブルーレイ セル>
商品名: ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん
価格: 4,700円+税
本編尺: 約81分
発売: ウォルト・ディズニー・ジャパン
<DVD セル> ※その他の仕様は<ブルーレイ セル>と同様です。
商品名: ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん
価格: 3,800円+税
≪三鷹の森ジブリ美術館ライブラリー≫
世界の優れたアニメーションを、ジブリ美術館がセレクトし広く紹介する活動として、2007年に発足。高畑勲監督・宮崎駿監督がおすすめする作品を中心に、まだまだ知られていない世界中の名作を取り上げています。
映画配給第一弾は、ロシアのアレクサンドル・ペトロフ監督作品「春のめざめ」、DVD化第一弾はフランスのポール・グリモー監督作品「王と鳥」。
以後、世界のアニメーション作家やスタジオと協力し、美術館での展示やイベントにとどまらず、“映像”による作品紹介を念頭に、劇場公開(配給)とブルーレイ・DVD化を2本柱として活動を継続中です。