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2014.04.01
2014/07/16 ジブリがいっぱいCOLLECTION 『千と千尋の神隠し』ブルーレイディスク 発売!
◆◆◆プレスリリース◆◆◆
ジブリがいっぱいCOLLECTION
『千と千尋の神隠し』
宮崎 駿 監督作品
ジブリ映画をDVDよりも美しい映像で見る。
◆2014年7月16日(水)◆
ブルーレイディスク発売
千と千尋の倍返し
ことばの恐ろしさについて書く。ひとことが運命を変えることがある。2000年の秋くらいだったと思う。赤坂を歩いていて友人の藤巻直哉さんに出くわした。のちに「崖の上のポニョ」を歌って、博報堂DYMPの社員でありながら、暮れの紅白にまで登場したあの藤巻さんである。
おたがい時間があったのだろう。ふたりでお茶を飲んだ。翌年の夏に公開する「千と千尋の神隠し」に話題は及んだ。藤巻さんにとっては他人事だったからだろう。興行の見通しについて無責任にこう言い放った。
「ほっといても大ヒットしますよ。みんな、言っていますよ。『もののけ姫』の半分は行くと」
このひとことがぼくに火を付けた。無性に腹が立った。なんだ、みんな、そんな風に思っているのか。関係者は顔を付き合わせると、みんな、真剣そのもの。おくびにも“楽観”は口にしない。しかし、藤巻さんの話を聞くと、ぼくのよく知っているこの作品の当事者たちまでが、楽勝気分でそう話していると言う。ちなみに、宮崎駿の前作「もののけ姫」は、邦画に於ける興行の日本記録を作ったばかりだった。
この日を境に、ぼくの作品に取り組む姿勢が大きく変わった。ぼくは鬼と化し、がむしゃらになった。半分というなら、倍を目指す。昨今、流行の言葉でいえば“倍返し”だ。やるべきことは二つしかなかった。まずは、宣伝の内容。普通なら、千尋とハクの恋物語だ。違うと思った。千尋とカオナシの物語だ。監督という人種は、往々にして、自分が何を作っているのか、分からないときがある。ぼくがカオナシで宣伝を始めると、宮崎駿が怪訝な顔をして僕の前に現れた。
「鈴木さん、カオナシで宣伝をやるの?」
ぼくは事も無げに答えた。
「千尋とカオナシの物語ですから」
さらに、映画館の数と宣伝量を「もののけ姫」の倍にする。ぼくは、配給の責任者に連絡を取った。
そして、2001年夏、「千と千尋」は、「もののけ」の記録を大きく更新、不滅の記録を作ることになる。それは、ぼくの予想を超えた、信じがたい数字だった。
「千と千尋」は、なぜ、不滅の記録を作ったのか? 作品もよかった。宣伝もうまく行った。興行の大きな努力もあった。すべてうまく行ったが、ぼくは、藤巻さんのあのひとことが忘れられない。
2014年2月
スタジオジブリ・プロデューサー 鈴木敏夫
トンネルのむこうは、不思議の町でした。
◆INTRODUCTION 作品解説
「10歳の自分の小さな友人たちに『大丈夫、あなたはちゃんとやっていける』と本気で伝えたくて、この映画を作ったつもりです」—「千と千尋の神隠し」の公開前に行われた雑誌のインタビューで、宮崎駿監督はこう答えています。山小屋に遊びに来る友人の娘さんたちに「あなたたちのために作った作品だ」と本当に言えるものを作ろうと宮崎駿監督が思ったところからこの企画はスタートしました。
不思議の町に迷い込んだ10歳の少女が、名を奪われながらも、生きるために働き始める—子供たちに向けて作られたこの作品は、子供だけでなく大人をも魅了し、観客動員2340万人、興行収入304億円という前人未到の記録を打ち立てました。日本の映画興行収入歴代1位の記録として、公開から13年を経た現在でも未だ破られていません。
本作は日本を舞台にしたファンタジーとして、湯屋に集う神様たちや、日本の伝統的意匠を盛り込んだ美術が世界中の人々を魅了。2002年に第52回ベルリン国際映画祭の金熊賞(グランプリ)、2003年に第75回米国アカデミー賞長編アニメーション部門で栄冠に輝いています。また、ロサンゼルス、ニューヨーク両映画批評家協会賞や、ナショナル・ボード・オブ・レビューのアニメーション部門、全米映画批評会議賞、さらにアニー賞なども受賞しています。
そして昨年、「風立ちぬ」を送りだした後に引退を表明した宮崎駿監督は、引退会見の場で、今まで作品に込めてきたメッセージを問われるとこう答えました。「子どもたちに『この世は生きるに値するんだ』ということを伝えるのが、自分たちの仕事の根幹になければならないと思ってきました。それは今も変わっていません。」
音楽を担当したのは、宮崎駿作品には欠かせない存在の久石譲。主題歌は、ライアーと呼ばれる竪琴を携え音楽活動を行っていた木村弓が作曲、詩人の覚和歌子が作詞を担当した「いつも何度でも」。木村から送られた1本のデモテープに収録されていたこの曲に、自分が描こうとしていたテーマと共通するものが込められていると感じた監督は「いつも何度でも」を主題歌として採用したのです。主人公・千尋を演じたのは柊瑠美、湯婆婆を夏木マリ、釜爺を菅原文太が演じた他にも内藤剛志、沢口靖子、上條恒彦など錚々たる面々が脇を固めています。湯婆婆の息子・坊を、当時わずか8歳だった神木隆之介が演じたことでも話題になりました。
今回ブルーレイディスク化するにあたり、質感豊かな高画質映像の収録を可能にしたマスターグレードビデオコーディング技術による細やかな階調での本編映像を収録。近年飛躍的に進歩した再生環境下で、劇場公開時のクオリティを再現した色彩、映像をご堪能いただけます。
音声・字幕は日本語以外にも、英語、フランス語、韓国語、中国語など、映画が紹介された多くの国々の言語を収録しています。また、ブルーレイディスクならではの大容量を生かし、本編とのピクチャー・イン・ピクチャーで楽しむことの出来る絵コンテ映像やアフレコ台本、予告編集などを高画質・高音質の本編映像と共にお楽しみいただけます。
◆STORY ストーリー
ひ弱で不機嫌な少女、千尋は現代に生きる普通の女の子。両親とともに車で引っ越し先の家へと向かう途中で「不思議の町」に迷い込んだ。店のカウンターにあった料理を勝手に食べた両親は、豚に姿を変えられてしまう。ひとりぼっちになってしまった千尋は、名を奪われ「千」と呼ばれるようになり、その町を支配する魔女・湯婆婆の下で働き始める。千尋は湯屋「油屋」の下働きとして働きながら、様々な出来事に遭遇しつつも、謎の少年ハクや先輩のリン、釜爺らの助けを借りて、厳しい難局に立ち向かっていく。はたして千尋は元の世界に帰れるのか……?
◆STAFF&CAST スタッフ&キャスト
原作・脚本・監督: 宮崎 駿
プロデューサー: 鈴木敏夫
作画監督: 安藤雅司
高坂希太郎・賀川 愛
美術監督: 武重洋二
色彩設計: 保田道世
映像演出: 奥井 敦
音楽: 久石 譲
主題歌: 「いつも何度でも」
作詞:覚 和歌子
作曲・歌:木村 弓
(徳間ジャパンコミュニケーションズ)
制作: スタジオジブリ
声の出演
千尋: 柊 瑠美
ハク: 入野自由
湯婆婆・銭婆: 夏木マリ
お父さん: 内藤剛志
お母さん: 沢口靖子
青蛙: 我修院達也
坊: 神木隆之介
リン: 玉井夕海
番台蛙: 大泉 洋
河の神: はやし・こば
父役: 上條恒彦
兄役: 小野武彦
釜爺: 菅原文太
Blu-ray制作
企画: 鈴木敏夫
映像: 奥井 敦
圧縮: 柏木吉一郎
◆商品データ
【発売日】 2014年7月16日(水)
【発売元】 ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
【ブランド】 ジブリがいっぱいCOLLECTION
2001年製作/日本/本編:約124分
※商品の仕様、及びジャケットのデザインについては、変更になる場合があります。
■『千と千尋の神隠し』《ブルーレイディスク》
【価格】 6,800円(税抜)
【仕様】 BD50/1枚/ピクチャーディスク/MPEG-4AVC/MGVC/複製不能
【画面サイズ】 16:9ワイドスクリーン 1920×1080 FULL HD
【音声】 日本語(2.0chステレオ/リニアPC)
日本語(6.1ch/DTS-HDマスターオーディオTM(ロスレス))
英語、フランス語、韓国語、ドイツ語、北京語、広東語(5.1ch/ドルビーデジタル)
フィンランド語(2.0ch サラウンド/ドルビーデジタル)
【字幕】 日本語、英語、フランス語、ドイツ語、韓国語、
中国語(繁体字・広東語)、中国語(繁体字・北京語)
【映像特典】 ・絵コンテ(本編映像とのピクチャー・イン・ピクチャー)
・アフレコ台本
・予告編集
※特殊パッケージ仕様
このブルーレイディスク(TM)は、パナソニック株式会社が新たに開発した「マスターグレードビデオコーディング」技術に対応し、従来のブルーレイでは記録できなかった細やかな階調(*1)で本編映像を収録しています。対応機器で再生した場合には、スタジオマスターが本来持つ滑らかで質感豊かな高画質映像でお楽しみいただけます。通常のブルーレイ機器で再生した場合も、従来通りの高画質映像(*2)でお楽しみいただけます。
*1:36ビット階調=12ビット(Y)+12ビット(Cb)+12ビット(Cr) *2:24ビット階調=8ビット(Y)+8ビット(Cb)+8ビット(Cr) ・「マスターグレード」は、(株)バンダイの登録商標です。